DHCPサーバー『Active-Active構成』と『Active-standby構成』どっちがいいのか?

はじめに

先日、当社では、DHCPサーバーアプライアンスの新製品「EasyBlocks DHCP AS 5000 / AS 2500」を発売しました。特長を端的に言うと、Active-Standby型の冗長化に対応したDHCPサーバーアプライアンスです。

以前から「EasyBlocks DHCP 6000 / 4000 / 2000」などのDHCPサーバーアプライアンス製品はありましたが、Active-Standby型の冗長化には対応しておらず、もし冗長構成の要望があった場合、2台稼働させIPアドレスの配布レンジが被らないよう設定いただくといった、Active-Active型の冗長構成をご案内していました。

しかし、お客さんの中には、Active-Standby型の冗長構成を希望されるケースも多く、そのご要望にお応えする形で新製品「EasyBlocks DHCP AS 5000 / AS 2500」を作りました。

そこで今回はDHCPサーバーの冗長化の手段について、Active-Standby方式、Active-Active方式、それぞれどのような特長・メリットがあるのかをご紹介したいと思います。どちらの方式が導入先のネットワークに適しているのかを判断する際の参考にしていただければ幸いです。

Active-Active型とActive-Standby型の比較

Active-Active型

2つ以上のDHCPサーバーが同時に稼働し、IPアドレスの割り当てを分担して行います。

Active-Active構成のDHCPサーバー
  • メリット:
    • 高可用性: 常に2台のDHCPサーバーが稼働しており、一方のDHCPサーバーが故障しても、もう一方のサーバーが即座に処理を引き継ぐため、DHCPサービスの中断時間がほとんどありません。
  • デメリット:
    • 設定の手間: 各DHCPサーバーの配布レンジのIPアドレスが重複しないようアドレス設計をする手間が増えます。
    • 利用IPアドレス減少:利用可能なIPアドレス数が半減します。

Active-Standby型

複数のDHCPサーバーのうち、1つがアクティブ状態で稼働し、もう1つがスタンバイ状態になります。アクティブサーバーに障害が発生した場合、スタンバイサーバーが自動的にアクティブ状態に切り替わります。

  • メリット:
    • シンプルな構成: Active-Active構成のように配布IPアドレスの配布レンジを分けるといった設定の複雑ががなく、設定作業が容易です。
  • デメリット:
    • 切り替えの遅延: アクティブサーバーが停止してからスタンバイサーバーが稼働するまでの間に短いダウンタイムが発生する可能性があります。

どちらを選ぶべきか?

どちらの冗長化構成を選ぶべきかは、ネットワークの規模、許容できるダウンタイム、異なってくるかと思います。まとめると以下冗長構成選定の判断基準になるかと思います。

  • Active-Active構成:配布IPアドレス数が比較的少なく、切り替え遅延などほぼ許容されない可用性が求められる環境
  • Active-Standby構成:配布IPアドレスが多いが、なんらかの冗長構成が求められる環境

DHCPサーバーの冗長化方式は、ネットワークの安定稼働に欠かせない要素です。Active-Active型とActive-Standby型、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社またはお客様のネットワーク環境に最適な方式を選択が必要です。最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。

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