こんにちは、ぷらっとホームの清水です。
前回のブログでは、文科省の「生成AIガイドライン」から読み解く教育インフラのあり方についてお話ししました。教育現場でのAI活用が進む中、自治体行政全般においても同様に具体的な指針が示され、生成AIの導入が加速しています。
日頃、自治体様向けにシステム提案を行っているSIer様とお話しする中で、自治体における生成AIの利用が拡大しているという声を伺う機会が増えているため、今回は「自治体の生成AI導入」について書いていきたいと思います。
自治体における生成AI導入の現状
自治体での生成AI活用に関して調べてみると、総務省が公表している調査データ(2025年時点)によると、全国の都道府県では「生成AIを導入済み」が87%以上、「導入を検討中」を含めると100%に達しています。

特に人口規模の大きい自治体ほど導入が進んでおり、議事録作成、文書要約、広報資料の作成などで大きな成果を上げています。
■自治体における生成AI導入状況(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/001018084.pdf
普及とともに浮かび上がるリスク
一方で、普及に伴い「懸念」も具体的になっています。

▶ 職員による「うっかり」した個人情報の入力
▶ 許可されていない外部AIサービスの利用(シャドーIT)
▶ 万が一のインシデント発生時に、「誰が・いつ・どのサービスに・何を入力したか」が追えないリスク
特に自治体様の場合、情報の取り扱いに極めて厳格なため、単に「便利だから使う」だけでなく、「不適切な利用があった際に確実に後から追跡できること」が導入の重要な前提条件となるケースがほとんどです。
こうした懸念点をクリアし、安全に活用するために出されたのが、デジタル庁の「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」です。
▶行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン
デジタル庁ガイドラインが示す対応の方向性
ガイドラインでは、自治体が遵守すべき項目が大きく4つのカテゴリに分類されています。
① 組織・体制: 利用ルールの策定・周知(何をプロンプトに入れて良いか等)
② 入力データの管理: 機密情報の保護(AIモデルに学習させない設定の確認)
③ 技術的対策: アクセス制御・環境分離、および【事後検証可能性】
④ リスク対応: インシデント発生時の対応(被害範囲の迅速な特定)
これらの中でも、SIer様がインフラ設計・構築の観点で最も深く関わるのが、「事後検証可能性の確保」です。
「事後検証可能性」こそが、インフラ側の最重要ミッション
ガイドライン内の「技術的対策」において、欠かせない要件として挙げられているのが「事後検証可能性の確保」です。
本ガイドラインにおける「事後検証可能性」とは、不適切利用やインシデント発生時に、誰が・いつ・どの端末から・どの生成AIサービスを利用し、どのような通信が行われたのかを、第三者が客観的に再現・説明できる状態を指します。
自治体様が住民に対して説明責任を果たすためには、アプリケーション上の操作ログだけでなく、「ネットワーク基盤としての通信ログ(Syslog)」がセットで存在することが極めて重要な意味を持ちます。
EasyBlocks Syslogが「事後検証」を強力にサポートできる理由

ガイドラインには多くの項目がありますが、こと「事後検証可能性」に関しては、弊社のEasyBlocks Syslogシリーズは、SIer様がこの要件を満たすための、実運用を前提とした現実的なログ管理基盤としてご活用いただけます。
・「誰が」を特定する確実な証跡
AIゲートウェイやプロキシサーバ、認証サーバなどのログを集約。アプリケーション側のログと突合させることで、インシデント発生時の原因および関係者の特定を迅速化します。
・暗号化通信の「足跡」を逃さない
通信の中身がAIサービス側で暗号化されていても、庁内ネットワークから外部へ出た「パケットの量、時間、宛先」というメタデータを保存。これにより、シャドーIT(未許可AI利用)の検知や、異常なデータ流出の予兆把握にも役立ちます。
・三層分離環境へのシームレスな導入
α・β・β’各セグメントに設置し、統合管理が可能。ISMAP環境下での運用をオンプレミス側から支える「ログの金庫」として機能します。
まとめ
ガイドラインには「組織体制」や「ルール作り」といったソフト面の対策も多く含まれていますが、それらが形骸化しないよう、最後に実効性を持たせるのが「ログという客観的な事実」です。
ログ管理は「守りの仕組み」ではなく、安心してAIを活用するための“攻めを支える基盤”でもあります。
「ガイドラインの技術要件をどう具体化すべきか」「三層分離ネットワークの中で、どう効率的にログを溜めるか」 そんな課題を抱えるSIer様、ぜひ一度ぷらっとホームにご相談ください。ガイドラインが求める「事後検証可能性」を、現実的かつ効率的に実現する構成をご提案いたします。

