普段、色々なお客様とお話している中で、「こんなアプライアンス製品あったら嬉しい・・・」といった要望を多くいただきます。
そこで今後の製品開発や改善のため、システムインテーグレーターの営業・SEや、主に民間企業の情報システム担当者など13,000人の方を対象に「一番欲しいアプライアンス製品はなんですか?」とアンケートを実施いたしました!
今回の記事では、そのアンケートの結果と一番要望の多かった製品について少し考察していこうと思います。
アンケートの概要
アンケート実施方法
実施時期:2024年8月下旬
実施方式:メールアンケート方式
対象人数:13,000人
対象者 :システムインテーグレーターの営業・SEや、主に民間企業の情報システム担当者など
実施方法:13,000人に対して、下記対象の製品を2回に分けて実施
アンケートを取った製品
アンケートを取って欲しいアプライアンス製品は以下の6つになります。
どれものお客様との打ち合わせや、イベントの中で複数回要望があがった製品たちです。
- 不正端末のアクセスを検知し通信断を行う製品
許可されていないMACアドレスを持つ端末を検知し、ネットワークから遮断する - ネットワーク図メーカー
ブラウザ上でネットワーク構成図を作成し、IT資産管理も同時に行える - ネットワーク機器コンフィグ管理
ネットワーク機器の設定情報やファームウェアのバージョン管理を行う - ログの相関分析ツール
所謂SIEM(Security Information and Event Management)製品。各ネットワーク機器のログを分析し、セキュリティリスクの有無を判断する - 教育機関向けコンテンツキャッシュサーバー
教科書などの学習コンテンツをキャッシュし、安定した学習環境を提供する - ログ改ざん防止機能付きSyslogサーバー
保存されたログの完全性を保ち、不正な改ざんを防止する
アンケート結果
なお、本アンケートでは対象の製品が6つと多いため、2回に分けてアンケートを実施しています。
アンケート結果 1回目
1回目は特に要望の多い以下の3製品でアンケートを取ってみました。
- ネットワーク図メーカー
- ネットワーク機器コンフィグ管理
- 不正端末のアクセスを検知し通信断
結果、最も多くの支持を得たのはネットワーク図メーカーでした。
アンケート結果 2回目
次に、2回目残りの3製品でアンケートを取りましたが、1回目で人気だったネットワーク図メーカーも含めた形でアンケートを取っています。
- ネットワーク図メーカー
- ログの相関分析ツール
- 教育機関向けコンテンツキャッシュサーバー
- ログ改ざん防止機能付きSyslogサーバー
ここでも同様に、最多票を獲得したのはネットワーク図メーカーでした。
なぜ2回も投票上位なのか?
アンケート結果から、ネットワーク図メーカーのアプライアンス製品への関心が特に高いことがわかりました。では、なぜ投票で上位に上がったのか?
ネットワーク図メーカーの人気を、エンドユーザー側(企業の情報システム担当)と顧客のシステム構築する側(SIerなど)の両方からの視点で考えて見ました。
エンドユーザー側の視点
現状の課題点
- ネットワーク運用や管理を担当する情報シス部門が、人数が限られている上に業務が多岐にわたる
- 特にネットワーク管理は専門的な知識が必要で属人的になりがち
ネットワーク図メーカー導入のメリット
- 技術者じゃなくても使えるので、だれでも簡単にネットワーク構成を可視化できる
- 属人化を防げるため、担当者が不在でもスムーズに業務進行が行える
- 業務の負担を軽減し、人手不足を補えるのでネットワークの安定した運用が可能になる
構築する側(SIerなど)の視点
現状の課題点
- 複数の顧客のシステムやネットワークを構築・運用するため、効率的なプロジェクト管理と情報共有が必要
- ネットワーク構成図の作成や管理は、技術的に高度であり、顧客ごとの環境に合わせた調整が必要
ネットワーク図メーカー導入のメリット
- ネットワーク構築の初期段階から顧客とネットワーク構成図を一目で共有・理解できる
- 運用後も顧客自身がネットワークを簡単に管理できるようになるため、SIer側の負担も軽減される
- 人手不足や属人的な作業を補うため、SIerは技術者リソースの最適化ができる
以上のことから、それぞれに異なるニーズがありますが「人手不足」や「業務の属人化」という共通の課題を解消する手段として、ネットワーク図メーカの需要増に帰結していると思われます。
やはり長らく議論されてきているIT業界の課題に当たりましたが、今回のアンケートをもとに少しでも課題解決に近付けるような製品の検討を進めていきたいと考えています。
最後に
改めてアンケートにご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
今後も皆様の意見をたくさん聞くということはもちろんですが、ただお客様からの意見・要望を鵜呑みにするのではなく、「その背景にはどんな課題があるんだろう?」ということを深堀りすることが大切だと感じています。
その心持ちを忘れずに、これからもより良い製品をお届けできるよう努めてまいります。引き続きご期待ください!