最近のぷらっとブログではログ関連の記事が多数あがっていますが、ログ保管・管理についてのお問い合わせをいただくことが多くなっていることが一番の理由です。
(直近ではウェビナーもやりました!後日談の記事が掲載されていますので、ご興味のある方はぜひ)
そんな中、ログを保管をする際に重要となるのが、『時刻』です。
実際に当社のSyslogサーバーアプライアンス導入の際に、NTP(Network Time Protocol)サーバーも合わせて導入する方もいます。
今回は、ログサーバーにとってのNTPサーバーの重要性について考えてみます。
NTPサーバー3つの重要な役割
デジタル化が進む現代において、正確な時刻情報はネットワークやシステムの正常な運用に不可欠な要素です。
その中でも、NTPサーバーは『ネットワークの時刻同期を担当し、システムやネットワークの安定性を維持する上で重要な役割』を果たしています。
正確なタイムスタンプの確保
ログデータは、システムの動作やユーザーのアクティビティを記録する重要な情報です。
このログデータに含まれるタイムスタンプは、問題の発生時刻やその詳細を把握するための基礎となります。NTPサーバーを利用してネットワーク内のすべてのデバイスの時刻を同期することで、ログのタイムスタンプを正確かつ一貫性を保つことができます。
これにより、ログデータを基にしたトラブルシューティングや監査が正確に行えるようになります。
セキュリティイベントの解析
セキュリティの観点からも、正確な時刻情報は極めて重要です。
不正アクセスや攻撃の発生時刻を正確に記録することで、
セキュリティイベントのタイムラインを正確に追跡することが可能になります。
NTPサーバーを使用することで、セキュリティイベントの解析が迅速かつ効果的に行え、適切な対応策を講じるための判断材料となります。
法的・規制上の要件への対応
多くの業界では、法的・規制上の要件として正確なログ保管が求められています。
たとえば、医療機関や金融機関では、患者データ・医療データや取引記録の保管において、正確なタイムスタンプが必須です。NTPサーバーを導入することで、これらの要件を満たすことができ、法的リスクを軽減することができます。
<参考>
・【厚労省&徳島県から学ぶ】医療機関のログ管理、どうしたらいい?
・結局どうすればいいの?業種別セキュリティ対策ガイドライン
各端末はどのNTPサーバーを利用すべき?
NTPサーバーの重要な役割を3つご紹介してきましたが、ここで大事なのは「各機器はどのNTPサーバーに時刻問い合わせするのか?」ということです。
ぷらっとホームでは「ローカル設置したNTPサーバーへ時刻問い合わせすること」を推奨しています。
というのも、ローカルにNTPサーバーをおかないと
全ての端末がインターネット上のNTPサーバーにアクセスすることになり、トラフィック量が増えるだけではなく、インターネット上のNTPサーバーにアクセスできない場合には、時刻同期が取れなくなります。
外部のNTPサーバーに依存せず、ローカルにNTPサーバーを設置することで、下記のようなメリットも考えられます。
①ネットワークトラフィック削減
ローカルにNTPサーバーを使用することで、外部のNTPサーバーへのリクエストを削減することができます。これにより、ネットワークトラフィックを削減し、ネットワークのパフォーマンスを向上させることができます。
②セキュリティの向上
セキュリティを向上させることができます。外部のNTPサーバーにおけるセキュリティリスクを軽減し、ネットワーク全体のセキュリティを強化することができます。
③可用性の向上
外部のネットワークに依存しない独自の時刻情報を確保することができます。これにより、ネットワークがオフライン状態の場合でも、時刻情報を維持し、サービスの可用性を向上させることができます。
まとめ
ログ保管におけるNTPサーバーの重要性は、正確なタイムスタンプの確保、セキュリティイベントの解析、法的・規制上の要件への対応等があります。
これらのメリットを享受するためには、ネットワーク内にNTPサーバーを設置し、全デバイスの時刻を統一することが不可欠です。
ちなみに、、、
当社が提供しているNTPサーバー機能を搭載したアプライアンスは2種類あります。
・EasyBlocks DDN1:アプライアンス製品なので少ない手間で導入できます。障害時での問題の切り分けや、各種管理、ソフトウェアアップデートも容易です。
・EasyBlocks Syslog / EasyBlocks NetworkReporter:Syslogサーバー機能の他にも、NTPサーバー機能も搭載して便利なモデルです。
正確な時刻同期を実現し、システム運用の効率化と信頼性向上に貢献するNTPサーバーの導入を組織のニーズやセキュリティポリシーに応じてぜひご検討ください!