ネットワークやシステムにおける監視ツール、重要ですよね。日々の運用においてシステムやネットワークの正常性を保つためには欠かせない存在で、できれば使い慣れたベンダーの監視ツールを使い続け、製品寿命が来たら後継品に乗り換える——これが一般的な流れだと思います。
しかしながらベンダーが製品の提供を終了してしまった場合、他の選択肢を探さざるを得ませんよね。どの製品を選べばいいのか、迷う方も多いはずです。
当社も監視アプライアンス製品(EasyBlocks 監視やリソース監視など)を製造販売していることもあって、最近このようなお話をよくお聞きします。
そこで今回は、リプレイスの際のポイントや、監視ツールのリプレイス先としてよくお聞きするツールをいくつかご紹介したいと思います。
リプレイスの際のポイント
監視ツールをリプレイスする際は以下のポイントを意識し、置き換え先を検討する事が重要です。
機能の網羅性
必須の監視機能がすべて含まれているかを確認します。例えば、ネットワーク機器の死活監視、リソース利用状況の可視化、アラート通知機能など、自社の要件に合致しているかが重要です。
運用の簡便さ
操作性や設定のしやすさ、運用管理にどの程度の負荷がかかるかを比較します。特に運用リソースが限られている場合、直感的なUIや自動化機能の有無が選定のカギになります。
サポート体制の充実度
トラブルが発生した際に、どのようなサポートを受けられるかも重要な選定基準です。有償ツールではベンダーの公式サポートが手厚いことが多い一方、オープンソースツールではコミュニティベースのサポートが中心となります。
セキュリティへの配慮
特にクラウド対応のツールを検討する場合、セキュリティ基準を満たしているか、データ保護対策が十分に行われているかを確認しましょう。
監視ツール
オープンソース監視ソフトウェア
オープンソース監視ツールとは、無料で利用できるソフトウェアであり、ソースコードが公開されているため、ユーザーが自由にカスタマイズできます。特にコストを抑えたい企業や、自社環境に合わせて柔軟に調整したい場合に適しています。
メリット・デメリット
メリット
コストが安い: ライセンス費用が不要で、初期導入コストを抑えられる。
柔軟なカスタマイズ: ソースコードが公開されており、独自の要件に応じた設定が可能。
コミュニティのサポート: 世界中のユーザーによる活発な情報共有。
デメリット
導入と運用の難易度: 自社での設定や運用スキルが必要。
サポート体制の不安: 問題発生時に頼れるのは基本的にコミュニティ。
オープンソース監視ソフトウェアの具体例
- Zabbix: 直感的なGUIと強力な監視機能。
- Nagios: 古参のツールであり、プラグインによる拡張性が高い。
- Hinemos: 日本発のツールで、ジョブ管理と統合監視が得意。
- Cacti: グラフ表示に特化し、リソース監視に最適。
監視アプライアンス
監視アプライアンスとは、専用のハードウェアと監視ソフトウェアが一体となったソリューションです。導入後すぐに運用を開始できる手軽さと安定性が魅力で、オンプレミス環境での利用に適しています。
メリット・デメリット
メリット
専用設計: 必要な機能が一体化しており、すぐに運用可能。
運用の簡便さ: 設定や運用が容易で、専門知識が少なくても扱いやすい。
高い安定性: ハードウェアとソフトウェアが最適化されている。
安心のサポート体制: ベンダーのサポートを受けられるためトラブル時も安心。
デメリット
初期費用が高い: ハードウェアがある分、費用が高額。
カスタマイズ性の制限: 特定のユースケース向けに最適化されているためカスタマイズは困難。
具体例
- Zabbix Enterprise Appliance: Zabbix日本法人が提供する、Zabbixのアプライアンス版。
- EasyBlocks 監視: ping監視・ポート監視など必要最小限の監視機能でコストパフォーマンスに優れる。
- EasyBlocks リソース監視: ping監視・ポート監視に加え、CPU・メモリなどのリソース監視やネットワークのトラフィック監視などの監視機能を搭載。
まとめ
監視ツールのリプレイスは、単なる機器交換ではなく、監視ツールの見直しをするチャンスでもあります。
オープンソースの監視監視ソフトウェアはコストをなるべく抑えたい方に最適です。導入や運用に一定のスキルが求められますが、柔軟なカスタマイズが可能です。また、監視アプライアンスはベンダーからのサポートを受けながら安心して運用したい方に向いています。専用設計で高い安定性を持ち、導入後すぐに利用可能です。
それぞれの特徴を理解して最適なツールを活用してみてください。もしリプレイスの検討に際してお困りの際は、ぜひ当社へご相談ください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。