小型サーバー製品として長年支持され続けている OpenBlocksシリーズ。そのコンセプトは「小型でファンレス」、そしてシンプルな設計です。シリーズが生まれてから早24年、進化を続けながらもこの理念を守り続けています。
今回は、2019年に販売開始された「OpenBlocks IX9」というモデルを分解して、中身を徹底解剖!製品設計のこだわりや魅力をお伝えします。
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分解してみた
上面カバーを開けてみる
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外観から分かるように、上面カバーには筐体内部の熱を効率的に放散するための ヒートシンク がしっかり装着されています。
カバーを外すと、中には M.2インターフェイス が2つと、着脱可能な SO-DIMMタイプのメモリモジュール が搭載されています。
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- M.2インターフェイス
追加ストレージを装着するためのもの。拡張性を考慮した設計です。 - SO-DIMMメモリ
ノートPCや小型PCでよく見かけるタイプ。標準メモリ容量を増設・交換できる仕様になっています。
さらに分解:基板を確認
メモリを外すと、あとはただの1枚の基板。インターフェイスが豊富にあるのに、中は驚くほどシンプルな設計です。
固定されているネジを外し、下面カバーを取り外すと、こちらにも上面同様に ヒートシンク が装着されています。
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CPUや電源周辺のチップには熱伝導シートがきっちり貼られ、発熱を抑える工夫が随所に見られます。ファンレスということもあり、この徹底した熱設計は、製品の安定動作に大きく寄与しています。
分解して気づく意外なシンプルさ
分解した部品を並べてみると、全部で6点(メモリ込み)。その少なさに驚かれる方もいるかもしれませんが、これは 部品点数を最小限に抑えることで、故障のリスクを減らす設計思想 の現れです。
長期間使い続けても壊れにくいのは、このような工夫によるものなのです。
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設計の裏側にある「こだわり」
設計担当者に設計時の苦労話を聞いてみると、毎回課題となるのが「インターフェイスの配置」だそうです。
OpenBlocks IX9の正面を見ると、 101 × 41mm というコンパクトな筐体にインターフェイスがぎっしり。これはお客様の要望を可能な限り反映し、現行モデルとの互換性を保つ工夫が凝らされているためです。
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特に特徴的なのが、2つの RS-232Cシリアルインターフェイス。
これほど小型のPCにこのインターフェイスが付いているのは珍しいですが、これは IP通信ができない機器との接続 を考慮したものです。2012年発売のOpenBlocks AX3以来、継続して搭載されています。長期使用の実績とお客様からの信頼が、この仕様を支えています。
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先々代モデルOpenBlocks 600からついてます
まとめ
OpenBlocks IX9を分解してみて、改めてその シンプルかつ合理的な設計と、現場ニーズを意識したインターフェイス配置を実感しました。
「小型でファンレス」という基本コンセプトを守りながらも、長期的な利用を見据えた堅牢さと拡張性を両立していることがわかります。これからも進化を続けるOpenBlocksシリーズ。次のモデルがどのような工夫を凝らすのか、今後も楽しみにしてください!
ちなみに、先日OpenBlocksシリーズの最新モデル、OpenBlocks HX1を発表いたしました。この発表に伴い新モデルの紹介はもちろん、現行ラインナップの紹介や各モデルの違いなどを30分ほどのウェビナーで紹介しますので、興味ありましたらぜひこちらもご覧ください。
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