先日幕張メッセで行われたInterop Tokyo 2024に当社はZabbix Japanさんのブース内に出展しておりました。私も展示員として立たせていただいたんですが、展示会で出展していると、来てくださったお客様から「懐かしいです。よくぷらっとホームの秋葉原の店舗行きましたよー!」とか、「店舗でよく珍しいもの売ってましたよね」とか、そういったお声を多くいただきます。
当社をご存知のお客様は、OpenBlocksをはじめとする小型コンピュータのメーカーと認識されていることが多いですが、昔も今もオープンソースソフトウェアとの関わりが強い会社です。
今回は、インターネット黎明期における当社のオープンソースソフトウェアとの関わりについて簡単にご紹介したいと思います。
1993年~ オープンソースのOSを輸入販売
世間ではまだインターネットはおろか、パソコンという言葉がほとんど定着していない1993年に当社が設立されました。コンピュータや周辺機器の開発・製造・販売を主たる業務としていましたが、秋葉原の店舗では創業当時からオープンソースソフトウェアのパッケージ版を輸入販売しておりました。
以下は当社設立当初に取り扱っていたオープンソースソフトウェアの一例です。
Yggdrasil Linux/GNU/X
1990年代初期に開発されたLinuxディストリビューションの一つであり、世界初のライブディストリビューションだそうで、ユーザーがインストールをせずにCD-ROMから直接起動して使用できるLinuxでした。
FreeBSD
言わずとしれたBSD(Berkeley Software Distribution)Unixの系統に属するオープンソースのオペレーティングシステム(OS)です。FreeBSDプロジェクトが開始された1993年から当社店舗でも販売していて、1990年代後半には”Release & Write”という商品名で、どこよりも早く、オープンソースソフトウェアをお客様のもとにお届けしたいという気持ちから、最新版がリリースされたらいち早くCD-ROMをプレスし、店頭やオンラインで販売ということをしていました。
当時はまだインターネット回線が広く普及していなかった事や、インターネット回線の速度も数十kbpsでしたので、ダウンロードには非常に長い時間がかかるため、CD-ROMの提供は結構重宝されていたそうです。
1996年~ オープンソースOS対応のサーバーやPCを製造・販売
1990年代後半、Windows95や98などの出現によりパソコンやインターネットが普及してきたころ、当社ではオリジナルサーバーブランドの「プラットホームファクトリー」を製造・販売していました。
「目的を持ったコンピューティングの支援」をコンセプトに、各種LinuxディストリビューションやUNIX系OSの動作保証をしていたり、指定のインストール代行などもやっていました。
さらに、1999年にはLinuxをプリインストールしたノートパソコンなんかも販売していました。当時はWindows 98が入ったノートPC全盛の時代。Linux OSをプリインストールしたノートPCはかなり珍しかったんじゃないかと思います。
ちなみに左の画像は日本語版のRedhat 5.2 Linuxと、Windows 98のデュアルブートノートPCなんていう、かなりマニアックな製品です。当時一体どんな方が購入いただいていたのか、とても気になります。
2000年 東証マザーズ上場
最後に、当社が2000年7月11日に東証マザーズ市場に上場した時の話です。当時の日経新聞に掲載された広告がこちら↓
今は亡き当時の本多社長と、現在の代表である鈴木の手形があり、その周りにはNetBSD、Debian、OpenBSD、RedHat、Turbo Linux、FreeBSDなどのオープンソースOSの名前が刻まれています。その下には「Open Source Enterprise Partner」の文字が見えます。これを見ると、昔から当社がオープンソースソフトウェアに支えられて事業をしてきたことがよく分かりますよね。
今回の記事では、1990年代から2000年までの当社とオープンソースソフトウェアの関わりについてご紹介しました。OpenBlocksやEasyBlocksをはじめ、当社の製品の大半は今もオープンソースソフトウェアに支えられて作られています。2000年から現在までの話もいずれ紹介したいと思いますので、お楽しみに!
2024/8/21 追記:
第2弾として、「ITバブル期の店舗ではなにを売っていたか?」にフォーカスした記事も公開しましたので、そちらもぜひ、ご覧ください!