【検証】AIエージェントはうちのECサイトで買い物を完了できるのか

突然ですが最近、「AIエージェントが勝手に買い物してくる時代がくる」という記事をよく見かけます。

ただそういう記事を読みながら、ふと

うちのECサイトはAIエージェントから買い物してもらえる状態なのかな?

と気になりました。自分の会社のサイトなら、誰にも気兼ねなく好きなだけ試せます。

ということで今回は、AI(Claude)に「ぷらっとオンラインでOpenBlocksを買って」と頼んでみました。

予想:おそらく認証で止まる

始める前に予想を立てました。

エージェンティックコマースの解説記事には、必ず決済の話が出てきます。

  • 3Dセキュア
  • 本人認証
  • ボット検知。

AIが人間の代わりに決済しようとすると、そこで弾かれる、と。なので予想はこうでした。

商品は見つけられる。カートにも入れられる。でも支払いのどこかで、AIだと見抜かれて止まる。

実際にやってみた

使ったのは、ブラウザを操作できるタイプのAIエージェントです。人間と同じように画面を見て、クリックして、入力します。

以下の指示と、おそらく空白だと困るであろう氏名と住所と連絡先を伝えておきます。

「ぷらっとオンラインでOpenBlocks IX9のDebian 12搭載モデルを買って」

まずはトップページから商品検索です。

指示された商品名をそのまま検索窓に入れると3件がヒットし、エージェントはその中から目的のDebian 12搭載モデルを正しく選びました。

2位と3位はDebian 11とDebian 10の同型機なので、「IX9」で候補を絞ったうえで「Debian 12」で1件に決める、という判断をしたことになります。

これは正直、うれしかったです。

型番を知らなくても、商品名だけでたどり着ける。商品名・型番・商品番号がきちんと構造化されて載っているサイトは、AIから見ても読みやすいということですね。地味な話ですが、日々商品データを整備している担当のおかげです。

(ちなみに、コーポレートサイトからECサイトへの導線はフッターのバナー画像ひとつだけなので、そこは素直に反省しました・・・。)

カートに追加して、そのまま注文手続きへ。ここまで詰まったところはゼロです。

注文手続きに進むとログイン画面が出ます。「会員登録せずに注文する」という導線があるので、エージェントはそちらを選びました。

そして次に出てきたのが、注文内容の確認画面です。

注文確認画面。必須項目がすべて埋まり、注文を確定するボタンだけが残っている
⑦ 住所を渡したら赤字が消えた。あとは確定ボタンを押すだけ(メールアドレスは伏せています)

事前に氏名と住所と連絡先を渡しておいたので、ここもすんなり空白を埋めていきました。
(なお社名は入れていません。法人名を入れると支払い方法の選択肢が変わってしまうので、条件をシンプルにするためです。)

では、最後に止めたのは誰だったのか

確定ボタンを押すだけの状態になりました。でも、押されませんでした。

サイト側が止めたのではありません。AIが「この操作は実行せず、確認してほしい」と私に判断を返してきたんです。

⑧ 押さなかったのはサイトではなくAIの判断だった

調べてみると、これはAI側の設計思想でした。Anthropicの公式ドキュメントには、現実世界に影響が及ぶ判断や、明示的な同意が必要な操作(クッキーの同意、金銭の取引、利用規約への同意など)については、人間に確認を求めるよう推奨する、と書かれています。

技術的に押せるかどうかと、押していいかどうかは別。そこを分けて設計してあるわけです。

最終決済は、いまはまだ人間の仕事

というわけで、現時点では「AIがカートに入れるところまでやって、最後に人間が押す」。これが標準的な設計になっています。

そもそも、消費者側としてもAIでなにかを購入することは消極的だというデータも出ています。
Visaが2026年2月に発表した調査では、日本の消費者の91%が商品の探索や追跡にAIを使うことには前向きな一方、購入や予約までAIに任せたいという層は24%にとどまっています。

ただ、これがずっと続くとは思えません。

Stripeはエージェンティックコマースの進化を5段階で定義していて、業界はいまレベル1からレベル2のあたりだとしています。レベル3以降は「大まかな条件だけ決めておけば、AIが自律的に購入まで実行する」段階です。

実際、VisaやMastercardといった決済大手はAIエージェント決済の実証実験を終えていますし、Stripe・OpenAI・Metaは共通仕様のAgentic Commerce Protocolを策定中。Walmartの「Sparky」やAmazonの「Buy for me」のように、先行して動いているサービスもあります。

まとめ

AIエージェントに自社ECで買い物をさせてみたら、商品はあっさり見つけ、カートにも入れ、注文確認画面まで到達しましたが、最後まで注文することはできませんでした。
「お金が動く操作は人間が確認すべき」という設計思想が入っていたからです。

今回の検証で改めて感じたのは、発信するものはAIに読まれる前提で整えておいて損はないということです。
私自身もそうですが、「何か検索する時はAIにきく」という方も多くなってきています。
そう遠くないうちに、AIがお客様として来る日が来るかもしれません。。。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

星 賢志

1985年生まれ、2児のパパです。
現在は、パートナー営業 兼 製品マーケティングをして、ブログ記事を一番書いているのは僕だったりします。
マーケティングは奥が深すぎて日々勉強の毎日ですが、子どもからプレゼントされたポケモンカードも奥が深すぎて参っています(笑)
移住するなら、宮古島できれいな海を見て、美味しいものを食べて生活したいですね(^O^)

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