少し前の話になりますが、社内でIoT技術を使って会議室の利用状況を可視化した時のことをお話ししたいと思います。社内で簡単にIoTを始めてみるか・・・と思っている方のご参考になれば幸いです。
導入のキッカケ
当社はグループウェアで会議室の予約状況は確認できるのですが、予約が入っていないのに実際に会議室に行くと使用中…ということが頻繁に起こっていました。こうした状況は業務の効率を下げる要因にもなり、何とか改善できないかと感じていました。
そんな時のこと。
毎回会議室が本当に空いているか、見に行くの面倒ですね。。なんとかならんもんですか?
IoT関連製品売ってる会社なんだから、IoTでなんとかすればいいじゃん
な、、なるほど、、。
こんな流れで、社内の各会議室に人感センサーを取り付け、当社のIoT製品と組み合わせて、どこからでも会議室の利用状況をリアルタイムで確認できるようにしてみるか。と決まりました。
今回は、物理的な設置作業にフォーカスして話を進めていきますが、実際の設定内容については営業技術の五十嵐が【解説編】として執筆してくれたので、ぜひそちらもご参考ください!
構成の設計
「とにかく自席から簡単に会議室の利用状況(人がいるかいないか)を見たい!」という要件は決まっていたので、まずは、どのような仕組みで会議室の利用状況を可視化するか、システム全体の構成をざっくりと設計しました。以下の機器を使用して、センサーからデータを収集し、リアルタイムで可視化する仕組みを構築しました。
- 人感センサー:会議室に人がいる、いないを検知する人感センサーには、オプテックス社のワイヤレス在室検知センサー「CPI-J」を採用しました。このセンサーは無線で動作し、ソーラー発電で駆動するため、配線工事が不要で、設置の柔軟性が高いのが特徴です。
- IoTゲートウェイ(センサーの受信機):センサーのデータを受信するために、当社のIoTゲートウェイ製品である「OpenBlocks IoTシリーズ」を使用しました。OpenBlocks IoTにはEnOcean受信機能があり、ワイヤレスセンサーの信号を問題なく受信できます。
- 可視化システム:センサーから受信したデータを視覚的に表示するために、データの可視化には「OpenBlocks IDM RX1」を使用しました。オンプレミスかつIoTデータを視覚的に表示する機能を内蔵しており、どの会議室が現在使用中か、ブラウザからでもリアルタイムで確認できます。
設置場所の選定
会議室にどのようにセンサーを配置するかも重要です。人感センサーは部屋の使用状況を正確に感知する必要があるので、通常は天井に取り付けるのが最適ですが、部屋の広さや形、人が座る場所によって検知しやすい場所、しづらい場所があるため、実際に試しにセンサーを仮設置してみて、検知するかを確認し、センサーの設置位置を決めました。
設置業者への依頼
センサーの設置、特に天井への設置は専門的な作業が必要なため、社内ではなく外部の業者さんに依頼をしました。IoTゲートウェイ製品自体は当社のものですが、配線やセンサーの固定作業には安全面も考慮する必要がありました。
業者選定の際には、以前に同様のIoT関連の設置実績がある会社を選び、スムーズな導入が進められるようにしました。設置計画と工程の確認、さらには費用の見積もりもこの時点で行いました。
それと、忘れてはいけない事前準備の注意事項としては、天井へのビス止めで穴あけが発生する場合や設置工事で騒音が発生する場合は事前に社内の設備担当者はもちろん、ビルの管理者への連絡を忘れずに行うことです。
設置日当日の事前打ち合わせ
設置当日は、業者との打ち合わせからスタートです。具体的な取り付け場所や配線ルートの最終確認を行い、作業が安全かつ迅速に進むよう、事前にスムーズな作業工程を確認しました。
打ち合わせでは、センサーの電源やネットワーク接続の確認も同時に行いました。会議室の稼働状況をリアルタイムで確認するため、IoTゲートウェイとの接続も重要なポイントです。
設置作業
いよいよ設置作業の開始です。ネットワーク機器の設置経験豊富な業者さんだったので、LANケーブルの敷設作業、センサーの天井への作業等、予想以上に迅速に進みました。センサーの設置自体はそれほど難しいものではありませんが、正確な位置に設置するためには業者さんの経験とスキルが必要でした。
次に、センサーからのデータを受信するために当社のIoTゲートウェイを会議室近くのネットワークに接続。無事に物理的な設置作業は完了しました。
今回、物理的な設置をお願いしたのはセンサー合計8台、IoTゲートウェイ2台、OpenBlocks IDM1台で、LANケーブルの敷設込みでおおよそ2時間で済みました。さすが慣れている業者さん、とても手際がよかったです。
物理的な設置に関する説明は以上となります。システムの詳細やデータをどのように可視化したかなどの詳細については、営業技術の五十嵐が実際の設定内容については【解説編】からぜひご覧ください!