最近生成AI界隈で何かと話題の「Deep Research」
ネット上の膨大な情報をAIが調べて整理し、比較レポートを作ってくれるというもので、
いわば、製品調査や比較表づくりを高速でやってくれるヤツですが、ついにChatGPT Plus(月30ドル)ユーザーも、この機能が使えるようになったので、気になって試してみました。
SEや情シスの方がよくやっている、スペックや価格、サポート体制などをググって調べて比較検討するあの作業、これを使えばだいぶラクになるのでは?と感じています。
今回はその使用感を、ビールという身近な題材で試してみた話をご紹介します。私はお酒に詳しくない“ビール素人”ですが、逆にそれを活かして、メジャーな銘柄を比較してみました。

ステップ1:プロンプトの作成
まずは、Deep Researchにレポート作成の依頼をするための「プロンプト」を作ります。
実際にDeep Researchを動かすと、解析に数分~数十分ほど時間がかかります。長時間待った後に「やっぱりあの情報も欲しかった…」となると二度手間になるので、あらかじめしっかり項目を決めておくことが大切です。
たとえば私はこんなかんじでプロンプトを書きました。
日本のビール4銘柄を以下要件に基づいて比較調査レポートを作成してほしい。
## 対象
- アサヒ スーパードライ(アサヒビール)
- キリン 一番搾り(キリンビール)
- サントリー ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)
- サッポロ 黒ラベル(サッポロビール)
## 比較項目
- 味の特長
- 成分
- 実売価格
- 消費者の評価(SNS分析やレビュー抜粋)
- 市場シェア
- メーカーの会社情報(売上や従業員数、上場非上場など)
ステップ2:実行!
プロンプトを入れて、Deep Researchを走らせてみます。が・・・ここでChatGPTから追加の質問が来ました。

通常のChatGPT (4とか4oとか)だと、与えた指示が不足気味でも無理やり回答してくれる印象がありましたが、Deep Researchはちゃんとしたレポートを出そうとしてくれる意思を感じますね。。今回は350ml缶、消費者評価はAmazonレビューやX(Twitter)重視、レポート形式は表形式と指示してみました。
ステップ3:調査レポート結果。すごい!
まずは、出力結果ご覧ください。

出てきたレポートを見て、思わず「おお……」と声が出ました。
想像以上にしっかりまとまっていて、しかも中立的。各ビールの特徴が客観的に書かれていて、ビール素人の私でも「なるほど!」と思える内容でした。
また、個人的にスゴイ!と思ったのは以下表の価格比較。

実売価格も実際に販売している価格を調査し、コンビニとスーパーの実売価格、さらにはケース購入時の価格も徹底比較してくれています。
この内容を10分やそこらで作ってしまうのですから、本当に感動です。
まとめ
今回はビールをテーマにDeep Researchを試してみましたが、「なんとなく面白そう」以上に、実務でも十分使えるポテンシャルを感じました。
とはいえ、実際に業務で使うとなると、いくつか注意点もあります。
まず、どんな情報を得たいかを最初にしっかり設計すること。
プロンプト次第で出力の質が大きく変わるため、「レポートの目的」「比較する観点」「優先順位」などを具体的に伝えるのがポイントです。恐らく、これらの情報がモヤッしていると、出てくるレポートもモヤッとします。
次に、出力された情報の信頼性。
Deep Researchはインターネット上の情報をベースにしてて、今回紹介出力結果でも分かる通り、情報源が明示されない場合もあり、そのまま鵜呑みにするのは危険です。特にお客様への提案資料などに使う場合は、自分で元情報を確認したうえで引用や再整理することが重要です。
さらに、社内や顧客の機密情報はプロンプトに入れないことも大切です。
今更ですが生成AIへの入力内容は取り扱いに注意が必要で、「何を入力していいか」「してはいけないか」はあらかじめ社内でガイドラインが決められているのならそれに従う。なければ最低限社内の機密情報や顧客情報は入れないほうが無難です。
使い方ひとつで、有益にもなるし、逆に誤解を生むリスクもあります。
だからこそ、使いこなす側が賢くなる必要があるな、、と今回ビール比較で遊びながら、それを改めて実感しました。
以上、「素人がDeep Researchでビールの比較レポートを作った話」でした。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。