以前、OpenBlocks IX9(Debian)を使用してネットワークインターフェースの冗長化を試す記事を配信しましたが、EasyBlocksについてはネットワークインターフェースの冗長化に対応していませんでした。
しかしながら、2024年12月10日にリリースされたEasyBlocks Syslogシリーズの最新ファームウェアではさまざまな機能改善や新機能の追加が行われ、今回、一部機種ではありますが、この機能がEasyBlocksにも実装されました。
本記事では、追加されたネットワークインターフェースの冗長化機能(Active-Backup方式)について、実機を用いて解説していきます。
はじめに
新たに追加されたネットワークインターフェースの冗長化機能は、以下のモデルで利用可能です。
- EasyBlocks Smart log series
- EasyBlocks 監視シリーズ
今回解説に使用する製品は、EasyBlocks Syslog HX 2T(型番:EBHX1/SYSLOG2T)です。
ネットワーク設定
EBHX1/SYSLOG2TはETH0とETH1の2ポートモデルなので、ETH0とETH1を使用してネットワークインターフェースの冗長化を設定します。
まずは①eth0、②eth1の設定で使用を「いいえ」にします。
次にボンディングネットワーク側の設定で使用を③「はい」、④ボンディングインターフェースでeth0とeth1にチェックをして、⑤IPアドレスを入力します。
設定自体は以上で終了になります。
ボンディングを使用しない場合は、eth0、eth1、それぞれの使用を「はい」に設定し、それぞれのIPアドレスを入力します。
ボンディングを使用する場合はeth0、eth1、それぞれの使用を「いいえ」にする必要がありますのでご注意ください。
状態確認
まずはWEBUI上から確認可能なネットワークの状態タグで確認します。
①bond0というインターフェースが作成され、設定した172.16.7.205のIPアドレスが付与されていることが確認できます。
また、②eth0とeth1にIPアドレスが設定されていないことも確認できます。
次に、OS上からbondingステータスも確認してみます。
①bondingのモードがactive-backup、②現在のアクティブインターフェース、③eth1、④eth0に関するステータスが確認でき、正常にネットワークインターフェースの冗長化設定が実施・稼働していることが確認できます。
bondingの切り替わり時間について
bondingのステータスに記載がある通り、
MII Polling Interval(ms):100
Down Delay(ms):200
Up Delay(ms):200
これらを合計すると、通信断は理論的に 最大で500ms(0.5秒)になる可能性があります。
タイミングによっては受信していたsyslogパケット(UDP)を取りこぼす可能性がゼロではないということはご認識ください。
まとめ
今回、bonding機能が実装された背景は、これまでにもお伝えしてきたとおり、EasyBlocksをご利用中または検討中のお客様から「ネットワークインターフェースの冗長化を実現したい」というご要望を多くいただいたためです。
ネットワークインターフェースの冗長化を導入することで、耐障害性が向上するため、未使用のイーサネットポートがある場合は、ぜひお試しください。
また、ネットワークインターフェースの冗長化機能以外にも様々な機能追加が実施されています。
詳細はリリースノートをご覧ください。
EasyBlocksでは、他製品も含め、定期的にファームウェアアップデートで機能改善や追加を行っています。今後のアップデートにもぜひご期待ください。