こんにちは、ぷらっとホームの清水です。
過去2回、文部科学省やデジタル庁のガイドラインをもとに、教育機関や自治体のAI活用についてお話ししてきました。
これら公的機関の指針に共通していたのは、実は、「ログ管理」という地味ながら重要な存在でした。
今回は、よりスピード感が求められる「民間企業」の視点で、このテーマを深堀りしていきたいと思います。
先進企業が示す「利用前提のAIガバナンス」
最近、お客様(特に情シス部門の方)とのお打ち合わせでよく耳にするのが、「生成AIのルールは作った。でも、現場が実際にどう使っているかまでは追いきれない」という悩みです。
実は私も社内でAIを使ってみて、その便利さに驚く反面、ふとした瞬間に「あ、今のプロンプト、社外秘に近い内容だったかも……」とか、「どこまで具体的に書いていいんだろう?」と、ふと不安になることがあります。悪気はなくても、効率を求めるとついリスクが後回しになってしまう。これは私だけではなく、多くの現場で起きているリアルな現象ではないでしょうか。
しかし、民間企業、特に先行しているIT大手各社の動きを見ていると、もはや「リスクがあるから禁止」というフェーズは終わっています。いかに「リスクを可視化しながら、最大限に活用するか」と言う方向に進んでいます。
例えば、国内でいち早く指針を公開した富士通株式会社の「生成AI利活用ガイドライン」では、以下のような原則が明示されています。
・機密情報の取り扱い制限
・AI出力の最終責任は人が負うこと
・著作権・知的財産への配慮
・利用状況の管理と継続的な見直し
▶富士通株式会社 「Fujitsu生成AI利活用ガイドライン」
重要なのは、「使わせない」という発想ではなく、「使うことを前提にリスクをどう制御するか」という設計思想に立っている点です。
先進企業ほど、
① 従業員のリテラシー向上
② 技術的なガードレールの整備
この2点を両輪として、実効性のあるガバナンスを構築しています。
民間企業が直面する「運用の壁」とログの重要性
しかし、多くの企業では、ルールを策定しただけでは解決できない運用上の課題が残ります。
- シャドーITの問題
会社推奨のツールがあるのに、ついつい使い慣れた個人アカウントのAIで顧客データの要約をしてしまった……。そんな「シャドーIT」を、マンパワーだけで監視し続けるのは、非常に困難です。 - 事後検証の困難さ
万が一、生成物が著作権侵害や情報漏洩等の問題が起きたとき、「誰が・いつ・どのサービスに対して・どのような通信を行ったか」という客観的な証跡が必要となりますが、これもリアルタイムで監視を行うのは現実的ではありません。
ここで鍵となるのが、ネットワークログ(Syslog)の収集・保存体制です。
なぜ「ログ収集」が企業のAI活用を支えるのか?
「セキュリティを強化しすぎると現場の利便性が損なわれる」というジレンマに対し、入口(ルール)を過度に縛るのではなく、出口(ログ)を可視化し「事後検証」できるという設計思想が有効です。

通信の「足跡」を確実に残す
社内ネットワークから外部AIサービスへの通信について、宛先・日時・データ量といった情報をログとして保存することで、未許可サービスの利用傾向を把握し、教育や対策へとつなげることが可能になります。
原因究明と再発防止の迅速化
先進企業のガイドラインが示す通り、最終判断は人が行います。
だからこそ、インシデント発生時に履歴を遡及できる仕組みが、影響範囲の特定と再発防止策の策定を加速させます。これは企業ブランドを守る「防御力」そのものです。
ガバナンスの可視化と証明
「ログが適切に管理されている状態」は、内部不正の抑止力になるだけでなく、監査対応や法規制準拠を示す客観的エビデンスとなります。
企業インフラを支える「EasyBlocks Syslog」
とはいえ、ログサーバーの構築や維持に工数を取られては本末転倒です。そこで「現実的な解決策」としてご提案しているのが、弊社のEasyBlocks Syslogシリーズです。
「ログ管理は大事だけど、正直そこにリソースは割けない」という現場の声を形にした、既存ネットワークへ容易に導入できるアプライアンス(専用機)です。
・長期保存に対応
数TBの大容量モデルにより、ガバナンス要件を満たす長期のログ保持が可能。
・運用の手間を最小化
複雑なサーバー管理を意識せず、専用機として「確実にログを溜めること」に特化。
・ガイドラインの実効性を担保
策定した活用ルールを形骸化させず、実効性を持たせるための「証跡管理」に最適です。

まとめ
民間企業における生成AI活用は、持続的成長を左右する重要要素です。
ルールを厳しく設計し現場の動きを阻害するのでなく、「適切なルール設計」と、それを裏付ける「ログ管理」をセットで整備することが、これからの企業に求められるAIガバナンスの正解ではないでしょうか。

「AI活用を推進したいが、統制も強化したい」
「ガイドラインを実運用に落とし込みたい」
そうした課題をお持ちの情シス部門様、SIer様は、ぜひ一度ぷらっとホームへご相談ください。


